もはや腎臓病は「つらくて苦しい病気」ではない→【名医が教える】ここまで変わった"腎臓復活"の新常識
次に、腎臓病における「生活面の常識」がどう変わったかについて見ていきましょう。
腎臓の生活面における新常識
【新常識4】腎臓を長持ちさせたいなら、薬は最小限にすべき!
薬は症状を改善する役目を果たした後、肝臓や腎臓で処分されるのですが、その処分の際にかなりの負担を臓器にかけています。一般によく用いられる痛み止めや解熱剤も頻繁に飲んでいると腎臓の負担になることが分かっているのです。
もちろん、絶対に必要な薬は飲まなくてはなりません。でも、なかには不必要な薬を飲んでいる人も少なくないはず。腎臓に不安がある人は、かかりつけ医と相談のうえ、普段飲む薬を最小限にしておくことをおすすめします。
【新常識5】トイレが近くても、ちゃんと水分を摂らなきゃダメ!
夜中にトイレに起きるのが嫌で寝る前の水分摂取を控えたり、トイレを探して焦るのが嫌で外出前の水分摂取を控えたり――。
暑い時期にこうした行動をとっていると、血液粘性が高まって脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクが高まります。
それに、体内の水分量が減って脱水状態になると、腎臓への血流が急減して「急性腎障害」を起こしやすくなるのです。腎臓の健康維持にはたっぷりの水分摂取が欠かせません。目先のトイレの問題よりも、腎臓の健康を優先して、小まめな水分摂取を心がけるようにしてください。
【新常識6】いまは透析中に運動することも可能になっている!
じつは「腎臓リハビリ」は人工透析中の人にも有効で、いまはエルゴメーター(ペダル漕ぎ)などの運動をしながら透析を受けられる施設も増えてきています。この「運動」を行うと、透析が効率よく進むうえ、疲労感やだるさが残りにくく、筋肉量もキープしやすいのです。私が指導した患者さんの中には、運動しながらの透析を受けた後、まったく疲れを見せず、さっそうとマウンテンバイクにまたがって帰っていった方もいらっしゃいました。
かつての人工透析では、4時間もの間、ベッドで身動きせず寝ていなくてはなりませんでした。すると、透析後は疲れて何もできず、家に帰ってまた寝るというパターンになり、寝てばかりで筋肉量をごっそり減らしてしまう患者さんが多かったのです。すなわち、こういった透析のあり方も、昔といまではかなり変わってきているわけです。
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