今回も「押し目待ちに押し目待ち」となるのか、それとも「半年ぶりの下げ」となるのか、10月以降の相場を占う1週間がやってきた

まずは直近の相場から振り返ろう。先週、市場関係者が注目した9月19日の日銀金融政策決定会合は、予想どおり上限政策金利0.5%を据え置いた一方、保有するETF(上場投資信託)とJ-REIT(不動産投資信託)の売却を開始することも決定した。
ついに「懸案解決」に向け、重い決断をした日銀
いつか来ることではあったが、今会合で出るとは予期しないタイミングだった。日経平均株価はこれにより、朝方549円高から一時807円安まで1356円の下げで反応した。しかし引けは前日比257円安まで戻り、サプライズの割に終値で4万5000円台を維持した。これは年間当たりの売却額が少なかったためだ。
日銀が保有するETFの3月末時点の簿価はおよそ37兆円、時価はおよそ70兆円と言われていた。だが3月末のTOPIX(東証株価指数)2688.94が9月26日には3187.02と約18.5%上昇し、現時点の日銀保有時価はおよそ83兆円となる。
内訳はTOPIX連動型が中心だが、日経平均連動型やJPX日経400型も含まれている。そのため、完全にTOPIXと連動するわけではないが、83兆円という推計は、十分に意味のある近似値だ。
さて、この約83兆円相当のETFを市場で売却する戦略は、極めて繊細かつ段階的な設計が必要であることは言うまでもない。売却の目安は簿価ベースで年3300億円程度、時価で年6200億円程度のため、植田和男・日銀総裁が「(売却には)単純計算だと100年以上かかる」とコメントしたが、「100年以上かけて売る」と言うのは、「売却戦略」の第1弾のアドバルーンだ。
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