今回も「押し目待ちに押し目待ち」となるのか、それとも「半年ぶりの下げ」となるのか、10月以降の相場を占う1週間がやってきた
当局は時間分散型売却戦略への代替案や補完的戦略を考えていると思うが、その案はいくつかあるようだ。
1つは、一定水準を超えた場合のみ売却する価格連動型売却(トリガー方式)だ。だが、これは前述の高度成長期には可能であったが、今は市場の上値にフタをするだけで、最も無意味な政策だ。永久凍結ファンドを作る方法は、市場構造を歪めるだけだ。
有効なのは、企業向け売却(自己<自社>株買い支援)である。ETF構成銘柄企業に対して、自己株買いの一環として売却することだ。これは企業の資本政策と連動できるので面白い。さらに企業に対し、その買った自己株の消却を要請すればもっと面白い。企業の資金余力に問題があれば、日銀が融資をすればいい。
なお、日銀が「強制」するには、金融商品取引法や会社法の改正が必要で、公的資金の投入には財政法・予算措置も絡むが、法的に問題があれば新法を作ればよい。もし公平性に問題があれば、日銀・経済界・市場関係者(投資家、株主)で時間をかけて協議すればよい。市場流動性の低下に問題があれば、段階的に進めれば混乱を抑えられる。これは単なる出口戦略ではなく、「日銀ETF評価益の社会的還元」とも考えられる。是非進めてほしいと思っている。
10月相場はどうなるのか?
さて、最後に今後の相場について予測してみよう。追加利下げ期待が継続し、主要3指数とも史上最高値圏内のせめぎ合いとなっている米国株を受けて、日本株も予想外の史上最高値となっているが、こうした重要な局面で、日米を中心にいくつもの重要なイベントを迎える。
週末のほうから言うと、10月4日(土)には自民党総裁選挙があり、3日(金)にはアメリカ9月雇用統計は発表される。8月の非農業部門雇用者数が前月比2.2万人増であり、こうした低調な雇用情勢が大きく変わる様子はない。また、失業率も平均時給も横ばい予想だ。さらに、9月ISM非製造業景況指数も、横ばいとなっている(9月ISM製造業景況指数は若干回復予想)。
次に、10月1日(水)は、9月の日銀短観が注目される。大企業業況判断製造業は小幅改善、非製造業は横ばいと予想されているが、「トランプ関税」の影響が注目される。
そして、本日(9月29日)、日経平均は300円前後、TOPIXは20ポイント程と試算される権利落ちを迎える。配当の権利取りや再投資などの短期的好需給後の失速はないと断言できるか?
日経平均をみると、4月7日の急落後の上昇相場において、前日比で1000円以上下げたことはない。果たして、今回も「押し目待ちに押し目なし」となるのか、いよいよ「下げらしい下げ」が半年ぶりに来るか。今後の相場を占う1週間になりそうだ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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