3月18~19日の金融政策決定会合で日本銀行の政策転換が注目される。今後の焦点の1つが日銀が保有するETF(上場投資信託)の行方だ。売れば市場へのインパクトが大きい一方、持ち続けるのも問題だ。長期成長につなげる逆転のアイデアとは。
日銀は政策転換に際し、マイナス金利解除に加え、日本株ETFの買い入れもやめるとみられる。
しかし、これまで買い入れてきたETFは簿価で37兆円まで積み上がっている。時価は2023年9月末時点で60兆円だが、日経平均株価は同時点の3万1857円から上昇し、2024年2月に史上最高値を更新した。その状況下で時価は70兆円程度まで膨らんでいると推計される。東証プライム市場の時価総額の7%強にあたる。
巨額の保有ETFを日銀はどうするのか。
日銀の植田和男総裁はこれまで、日銀の損失と市場のかく乱を極力避ける方法を選び、時価での処分を考えていると述べている。「考える時間的余裕はある」とも発言している。
売れば株式市場に激震
国債は償還期限があるため、購入を減らせば残高が自然と減っていく。ETFは国債とは異なり、処分しない限り、バランスシートに残る。日銀買い入れが株式市場で「クジラ」と呼ばれるほど影響力を持った裏返しとして、ひとたび売却方針が伝われば市場に大きなショックを与え、株価下落を引き起こしてしまう。
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