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岩田規久男氏「どうして日銀は焦って決めた?」 「緩和に戻れば信用失う」と懸念する元副総裁

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日銀に対して長らく批判論陣を張った末に、副総裁として異例の政策を推進した学者が語る「歴史的転換」の評価。

岩田規久男元日銀副総裁
岩田規久男(いわた・きくお)/学習院大学名誉教授。1942年生まれ。1973年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。学習院大学経済学部教授などを経て、2013年から5年間日銀副総裁を務める(撮影:大澤誠)

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リフレ派経済学者の首領で、黒田東彦前総裁とともに2013年4月に異次元緩和を始めた岩田規久男・元日銀副総裁は、3月の異次元緩和の終了に何を思うか。

※2024年3月24日(日)6:00までは無料で全文をご覧いただけます

――日銀が異次元緩和の解除を3月19日に決めました。どう受け止めていますか。

異次元緩和が終わらない状況というのは、日本経済がダメなままでいるということだから、いずれは今回の決定のように短期金利操作を軸とした通常の金融政策に戻すものだと思う。

しかし、このタイミングでの解除には大きな疑問が残る。正直、「どうして焦って決めてしまったの?」という印象だ。

企業の賃上げの結果は十分に出そろっておらず、「賃金や物価の好循環」について確認できたとはいえない。現在出ているのは、一部の大企業を中心とした春闘の「満額回答」「要求以上」のニュースだ。

6月ごろになれば、中小企業も含めた企業全体の賃上げ動向がわかってくる。そこまで待たずに、日銀は「賃上げは浸透するだろう」という希望的観測に基づいて決断をした。

金融緩和の出口はつねに早すぎる

そうした強気の見通しをした根拠の1つに、日銀は「ヒアリング情報」を挙げている。これはおそらく支店長会議での情報だろう。ただ、支店長会議の場では本店の意向を踏まえた情報を報告する傾向があるため、あまり信用してはいけないというのが実感だ。

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