【あんぱん最終回】「涙が止まらない」「とてもいいお話でした」と絶賛の声多数も…最後まで「ヒロインが好きになれない」人がいた根本理由

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さらに蘭子とメイコの妹2人が愛すべきキャラクターとして描かれ、河合優実さんと原菜乃華さんが魅力たっぷりに演じたことも、のぶと今田美桜さんにとっては逆風を受けやすい理由の1つだったかもしれません。

事実、「あさイチ」で“朝ドラ受け”をしている博多華丸さんは、のぶを差し置いて「今日の蘭子」と題して熱く語ることが定番になっていました。

制作サイドとしても、のぶが偉人を支える主人公だということに多少の不安があり、蘭子の恋や仕事のシーンを増やすことでフォローしていたのではないでしょうか。

いずれにしても「あんぱん」は他の朝ドラ以上に、主人公を好きになれた人にとっては面白い作品で、最後まで好きになれなかった人にとっては不満が残る作品だったのでしょう。

あんぱん
朝田3姉妹。右から長女・のぶ、次女・蘭子(河合優実)、三女・メイコ(原菜乃華)(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより)

今後も「明治から昭和の朝ドラ」が続々

制作サイドは「のぶと嵩が幼なじみ」という脚色以外にも、「主人公でありながら、のぶがほとんど登場しない戦時中のシーンをたっぷり盛り込む」などの批判を恐れずに挑むスタンスを随所に見せていました。

賛否の声はさておき、その姿勢はもっと称えられてもいい気がします。

ただ、今後の朝ドラを見ていると、ねぎらいの言葉ばかりを言ってもいられません。

次作の「ばけばけ」は、「怪談」などで知られる小泉八雲さんの妻・小泉セツさんがモデルの物語。次々作の「風、薫る」は、看護師の先駆者・大関和さんと鈴木雅さんがモデルの物語。次々々作の「ブラッサム」は、作家・宇野千代さんがモデルの物語。

いずれも主に明治から昭和の時代を生きた人物が主人公の作品が続くだけに、「あんぱん」で手応えを得たところと、反省材料として生かすところを整理しながら、より多くの人々が楽しめる国民的ドラマを目指してほしいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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