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【あんぱん最終回】「涙が止まらない」「とてもいいお話でした」と絶賛の声多数も…最後まで「ヒロインが好きになれない」人がいた根本理由

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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より評判のよかった「あさが来た」「虎に翼」のような女性が社会進出して偉人となる物語には、このような賛否の声はありませんでした。

多くのヒットドラマを手がけてきた中園さんほどの力を持ってしても、朝ドラという長丁場の帯ドラマでは、「偉人の妻」を主人公にした物語でポジティブなムード一色に染めることは難しいのかもしれません。

中園さんは小学校2年生のときに、やなせたかしさんの詩集を読んでファンレターを送り、それをきっかけに文通していたという深い縁があっただけに、「『マッサン』や『らんまん』のようにそのまま偉人が主人公の物語を見たかった」という人も多かったようです。

のぶの人生をかけた「逆転しない正義」を見つける物語でした(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより)

朝ドラで重要な「ヒロインへの愛着」

「のぶと嵩が幼なじみ」という脚色を加えながら、「なかなか結ばれない」という史実通りにしたことで、「主人公なのに、のぶを好きになれない」という声が最後まで消えなかったことも賛否が分かれた理由の1つでしょう。

前半では、のぶが嵩を突き飛ばした出会いからはじまり、のぶが嵩に平手打ちしたり、遠距離電話で一方的に激怒したり、「嵩は親友」と言いながら結婚の報告をしなかったりなどの視聴者に嫌われそうなシーンが続きました。

また、急に教師を志し、過剰に愛国の道を進み、思いを寄せ続ける嵩の気持ちに気づかず別の男性と結婚。夫を失ったあと上京したのぶを追いかけてきた嵩とようやく結ばれ、売れない漫画家の彼を支えるシーンが増えたことで、「のぶが好きになれない」という声が減りました。

結婚後、のぶと嵩はお互いをリスペクトし、支え合いながら作品を生み出していきました(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより)

しかし、嵩が作品を生み出す物語よりも、のぶが「自分は何者にもなれんかった」というシーンがクライマックスのように描かれ、その後は「アンパンマン」の誕生とヒットに関与するシーンを続けたことで、「好きになれない」という声が再燃。

終盤にかけて「のぶの手柄感が凄い」「のぶをゴリ押し」などの不満があがるようになりました。

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【のぶが逆風を受けやすい理由】

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