「南海の和泉中央」駅長に聞く泉北線終着駅の変遷 かつて「泉北高速鉄道」の本社があった駅ビルは今

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地下1階にあたるホーム階には島式ホームに1番線と2番線。留置線がその外側に1本ずつと、中百舌鳥と反対方向の南西へ2本延びている。

難波行きの泉北線の電車に乗っていけば、中百舌鳥から高野線に乗り入れ、三国ヶ丘でJR阪和線、天下茶屋で大阪メトロ堺筋線、新今宮でJR大阪環状線と、途中駅での乗り換え利便性は高い。

朝と夕方以降は上り・下り両方面に有料座席指定の「泉北ライナー」が設定されている。平日の日中でも上り方面へは1時間に難波行き準急が2本、区間急行が4本、中百舌鳥行きの各駅停車が2本の計8本が走る。

和泉中央駅 泉北ライナー
朝と夕方以降に走る有料座席指定の「泉北ライナー」(記者撮影)
【貴重な写真】いつもは難波―関西空港を結ぶ特急「ラピート」の車両が難波―和泉中央間を「泉北ライナー」として走っていた時期があった

当初は「8階建て駅ビル」の計画

改札口は地上1階に2カ所あるが、1つは出口専用。大きな吹き抜けがある駅ビルの1階と2階にいくつかの店舗が入っている。1階から出るとバスターミナル、2階には駅周辺の大型施設と直結するペデストリアンデッキがある。

泉北高速鉄道の本社もこの駅ビルに置かれていた。大阪府都市開発が1996年3月に発行した社史によると、1989年12月に策定した駅ビル事業化プランでは8階建てとなる計画だった。「しかし、その後の経済情勢の悪化等により、当初計画の実現は困難と判断せざるを得なくなり、駅舎等、必要最小限の機能にとどめ、駅ビルは3階建てでの着工となった」という。

一方で「今後の公団の地区センター整備状況や駅周辺の街の成熟度との整合性を図りながら、駅ビル事業を進めることが可能なよう、高層化に対応できる基礎工事を先行して施している」とも説明している。

和泉中央駅の置田裕彦駅長は「開業当時はお客様が少なかったので、夜遅くに電車が到着すると降りられる方はパラパラでした」と振り返る。

【写真を見る】置田駅長が言うように、駅開業後も周辺には建物が少なかったことがわかる空中写真
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