3人に1人の高齢者を支えるシステムが限界に近付いている? 70代が現役で働く「超高齢社会」になった日本の深刻

今や、地方だけでなく都市部でも、超高齢社会がもたらす影響が顕在化している。古くからあった飲食店の店主が高齢のため店を閉め、町工場や中小企業でも、後継者が見つからずに、廃業する企業が後を絶たない。かつて想定されていた超高齢社会の影響をはるかに上回る事態が、表面化しつつあると言って過言ではないだろう。
さらに、深刻な人手不足の原因ともなっており、人口減少の影響から地方自治体の財源不足が深刻化しており、上下水道や道路や橋などの社会インフラへの影響も深刻化しつつある。現在の超高齢社会がどんな状況なのか、そしてその影響が今後の日本経済全体や我々の生活にどんな影響をもたらすのか考えてみたい。
3人に1人の高齢者を支えるシステムが限界に近付いている?
最新の人口推計(総務省統計局、2024年10月1日現在)によると、日本の総人口は1億2380万人、前年に比べて55万人減少。14年連続で減少している。このうち、65歳以上の人口は3624万人、うち75歳以上は2077万人で、前年に比べて70万人も増加している。要するに、高齢社会というよりも、70代以上の超高齢社会にシフトしていると言っていい。
3人に1人が高齢者であり、生産年齢人口も7372万人(2024年、総務省)となり、総人口の60%を下回っている状態だ。10人のうち6人以下しか働いていないことになる。総人口に比べて働く人が少ない、そんな現実が日本にはあるようだ。
たとえば、「労働政策研究・研修機構によると、日本は2022年の数値が主要7カ国(G7)で最も低く、米国(64.9%)、英国(63.4%)、カナダ(65.4%)などに及ばない。消費を牽引するはずの世代が減ることで経済の停滞が懸念される」(日本経済新聞、きょうのことば、2025年4月15日)。
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