3人に1人の高齢者を支えるシステムが限界に近付いている? 70代が現役で働く「超高齢社会」になった日本の深刻
もっとも、65歳以上が就業者全体に占める割合は13.5%になっており、4人に1人の高齢者が就業していることを示している。高齢者が働かなければ成立しない社会構造になっていることに、日本の超高齢社会の深刻さがある。
飲食店経営者の過半数が60歳以上
東京商工リサーチの「平均年齢が高い業種ランキング(全国社長の年齢調査、2024年)によると、不動産賃貸業・管理業(67.19歳)、漁業(66.28歳)、飲食料品小売業(65.72歳)、医療業(65.56歳)となっている。さらに、「廃業を検討する可能性のある企業の割合」では飲食店が「39.6%」(2022年2月調査)となり、飲食店の4割が廃業考えているというデータもある。ちなみに、社長の平均年齢も63.59歳と過去最高を付けた。
帝国データバンクの調べでは、2024年の飲食店の倒産件数は894件。過去最高を更新しており、中小企業庁の調査でも、宿泊業を含む飲食業の廃業率は「5.6%」と全業種の中でも高い数字と言われている。もっとも、日本の外食産業は廃業率が高いことでも知られ、オープン3年以内の廃業率が70%ともいわれる。
こうした超高齢社会の影響は、外食産業以外の分野にも急速に拡大している。簡単に紹介すると次のようになる。
<農業従事者>
2020年時点で、主に自営で農業に従事している人を示す「基幹的農業従事者」は65歳以上が全体の約7割を占めている。2020年時点の基幹的農業従事者は「約136 万人」だが、2050年には「36万人」にまで減少するという衝撃の推計もある。一方で、個人、団体を合わせた「農家経営体」の数は、2020年の段階で107万体、2030年には40万体にまで減少するとする予測もある。兼業も含めた農業就業者は2024年の段階で180万人。毎年7万人程度減少しているとされている(総務省調べ)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら