野性味あふれる味わいはまるでジビエ! "幻の中の幻"であり"食べられる天然記念物"、「見島牛」に秘められた《離島の奇跡》
「牛の形をした島」に生きる幻の牛
日本に古くから伝わり、西洋種の影響をまったく受けていない純粋な日本古来の在来種の血統は、じつは「見島(みしま)牛」と「口之島(くちのしま)牛」のたった2種類しかありません。
本稿でご紹介する「見島牛」はそのうちの一つで、国の宝として「天然記念物」に指定されるほど希少な存在です。しかも驚くべきことに、「見島牛」は食肉としての生産と流通が認められているのです。
見島牛が暮らすのは、山口県萩市沖から北西へ約45km進んだところに位置する、あるユニークな形の島。その島を上空から見てみると……。まるで巨大な牛が横たわっているかのような形をしているではありませんか!
北側が顔で小さな角があり、東側に前脚、そして南側には堂々とした後躯(こうく)が広がっています。まさに「牛の形をした島」で、この島の名前こそが「見島」です。
古くから大陸との交易で栄えていたここ見島では、山の斜面に棚田を作り、稲作を営んできました。その農耕の役牛として、長きにわたり活躍してきたのが「見島牛」なのです。



















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