新モデルは256GBからになったiPhone「128GBでは足りない」は本当か? 容量がいっぱいでも「案外使える」カラクリ

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128GBモデルは「入り口商品」の役割を果たしている。最初は安く買ってもらい、使っているうちに容量不足に悩ませ、次の買い替えで上位モデルを選ばせる。典型的なアップセル戦略だ。

iCloudへの誘導も巧みだ。無料で使えるのは5GBだけ。写真や動画をちょっと保存したらすぐいっぱいになる。結局、多くの人がiCloud+に加入することになる。月150円(50GB)、450円(200GB)、1500円(2TB)という料金設定は一見安そうだが、年間にすれば1800円から1万8000円の継続収入だ。

Appleの決算を見ると、サービス部門の売上高は四半期ごとに過去最高を更新し続けている。2023年には有料サブスクリプション数が10億件を超えたという。端末を売った時の利益だけでなく、クラウドサービスの継続収入が同社の安定成長を支えているわけだ。

見えにくいコストを含めた「総所有コスト」

端末価格だけ見て判断するのは早計だ。本当に考えるべきは「総所有コスト」である。128GBモデルを3年間使い、iCloud+の200GBプラン(月額450円)を契約した場合を計算してみよう。3年で1万6200円の追加費用だ。256GBモデルとの差額1万5000円より高くつく。

時間のコストも考えなければならない。アプリの再ダウンロード待ち、容量不足で写真が撮れずに逃したシャッターチャンス、ストレージ整理に費やす時間。お金に換算しづらいが、生産性は確実に落ちる。

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