「素人はSNS禁止」チョコプラ松尾発言を安易に叩く人に欠けた視点

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松尾自身も「一般人はSNSをやるな」と本気で思っているわけではないはずだ。ただ、SNSを通じていわれなき誹謗中傷を繰り返すような人に対して、そういうことはやめてほしいと訴えているだけだろう。

ただ、今回の件が本人の意図を超えたところで広まっているということ自体が、ネット社会の恐ろしさでもある。つまり、皮肉にも、「SNSで過度な誹謗中傷はするな」ということを言おうとしていた松尾が、今回の騒動では結果的にSNSで過度な誹謗中傷を受けてしまっているのである。

もちろん、発言内容を踏まえた冷静な批判は必要だが、行き過ぎた攻撃は避けるべきだ。

誠実に釈明すれば信頼は取り戻せる

動画をすぐに削除したことで「逃げた」という印象を持つ人もいるかもしれないが、危機管理としては妥当である。今後は本人の口から本来の意図を説明することが重要であり、それがあれば過剰に騒ぐ必要はない。

今回の問題は、「芸能人が一般人を見下す」「表現規制につながる」という着火剤になるような材料が揃っていたため、本人が意図しない形で大炎上を引き起こしてしまった。

しかし、実際に起こった出来事だけを冷静に観察するならば、芸人が仲間への誹謗中傷に憤るあまり口を滑らせたにすぎない。松尾は誠実に釈明を行い、今後の活動を通じて信頼を取り戻していくしかないだろう。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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