NA/NB/NC/ND「ロードスター」一気乗りでようやくわかった「人馬一体」歴代開発者が目指した本当の志

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エンジンは、ほどよい伸び感があり、日常的な移動で使う回転数域では、十分なトルクを感じられる。5速マニュアルのギア比もちょうどよく、シフトアップと全体の伸び感がシンクロする。

減速時も、減速Gは強くなく、かといってブレーキに負担がかかり過ぎていることもない。

これが「NAの走りのペース」なのだ。この走り味が、実に心地よい。また、シートがよく、運転してもあまり疲れを感じないことも伝えておきたい。

走りながら、改めて車内を見わたすと、各所にクラフトマンシップを感じる。大量生産車というより、一品物という印象だ。ちなみに、試乗車のグレードは「Vスペシャル」だ。

NARDIのウッドステアリングはVスペシャルに標準装備だった(同乗者撮影)

ただ、少し困ったこともあった。試乗した2日間は真夏日であり、エアコンは身体に直接、風があたるところは冷えるものの、車内全体の温度が下がるまでにはかなりの時間を要した。

夜になり、いまでは珍しくなった格納式のリトラクタブルライトをつけて走る。こうしたNAとの時間が、とても愛おしい。気分は上々だ。

マツダはNAを基点に、ロードスターの商品性や走行性能を「人馬一体」と表現するが、この「馬」は決して競馬場を駆け抜けるのではない。速さを競うスポーツカーでもなければ、「攻めの走り」をすることでもない。

NAロードスターは、とても穏やかで優しい生き物のようで、その息吹をドライバーが感じながら、クルマと一緒に楽しい時間を過ごせるのだ。

同じ人馬一体でも「馬」は違う

翌日は2代目、NBに乗る。グレードは「RS」だ。

乗り換えた瞬間、いや、ドアを開けた瞬間、「一気に今風(いまふう)になった」と感じた。インテリアの造形での「囲われ感」が、まず違うのだ。

基本的なレイアウトは変わらないが、囲われ感が強くなったNBのインテリア(筆者撮影)

走り出してみると、シフトチェンジしたときのシフトの的確さ、直進安定性を重視したハンドリングなど、走行性能における安心感が増したことに気づく。

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