【ハイエース納期問題の救世主になるか】フィアット商用バン「デュカト」をベースにした家族向けキャンピングカー「ブルージュ」開発の背景

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トイファクトリーが扱うフィアット・デュカトのキャンピングカーは、今回の新型ブルージュを追加したことで、オリジナルモデルが8タイプ。輸入モデルでも、ライカのほかに「エトルスコ」など多くの有名ブランド製モデルを取り扱っている。とくに今回の新型2機種は、どちらもファミリー向けで、前述のとおり、2人旅を前提としたタイプの多い既存機種とは一線を画すモデルとなっている。

納期遅れが続く、ハイエースの代替を狙った側面も

ブルージュの外観
ブルージュの外観(写真:トイファクトリー)

ちなみに、こうしたデュカト・モデルを拡充する背景には、従来、同社が得意とするハイエースのキャンピングカーに関するベース車問題もある。現在、ハイエースはトヨタの生産が需要に追いついておらず、納期遅れが続いている。そのため、キャンピングカーに関しても、ハイエースをベースとするモデルは新車の入手が困難となっているのだ。しかも、ハイエースのキャンピングカーを購入するユーザーには、ファミリー層も多い。つまり、デュカトのファミリー向けモデルは、メーカーがハイエースの代替として提案している側面もあるのだ。

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ハイエースの納期問題については、秋から年末頃にかけて解消するとの情報もあるが、いずれにしろ、この点は、同社だけでなく、キャンピングカー業界全体にとって「悩みの種」だ。ハイエースといえば、荷物の積載性だけでなく、走行性能や耐久性など、すべてにおいて信頼性が高いことも人気の理由に挙げられる。それに対し、デュカトも、車体が大きく積載性が良好なだけでなく、走行安定性などにも定評がある。

ただし、あまり輸入車やフィアットというメーカーに詳しくないユーザーには、その良さがわかりにくいというのも確かだ。そう考えると、デュカトのキャンピングカーが今後普及するか否かは、そうした面をどう払拭するのかも重要になるだろう。ともあれ、今回紹介した新型キャンピングカー2機種が、これから市場にどのようなインパクトを与えるのかが気になるところだ。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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