中国レアアース大手に「米中貿易戦争」の棚ぼた 北方稀土、市場価格上昇で純利益が20倍超に

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レアアース磁石はスマートフォンの超小型振動モーターやスピーカー、EV(電気自動車)の駆動用モーター、風力発電装置などの製造に不可欠な重要素材であり、中国が世界生産の8割超を握っている。

北方稀土のウェブサイトには「中東に石油あり、中国にレアアースあり」というスローガンが誇らしげに掲げられている

北方稀土はレアアース磁石の原料生産の世界最大手だ。同社の筆頭株主である国有鉄鋼大手の包頭鋼鉄集団は、軽希土類の世界最大の鉱山である内モンゴル自治区の白雲鄂博(バヤンオボ)鉱山の独占採掘権を持つ。

輸出のリードタイム長く

決算報告書によれば、北方稀土が2025年上半期に販売したレアアース酸化物は約2万トンと前年同期比約16%増加した。だが4月に発表した1~3月期の報告書をもとに試算すると、4~6月期の販売量は約9600トンと前年同期比1割減少しており、輸出規制の影響が見て取れる。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

「わが社の主力製品である軽希土類は、輸出規制の影響は相対的に少ない。だが輸出許可の取得や税関の検査手続きに時間がかかり、実際に輸出できるまでのリードタイムが長くなっている」。北方稀土は2025年6月にそうコメントしていた。

金属情報サイトの上海有色金属網によれば、レアアース製品の生産企業は中・重希土類の輸出規制が4月に始まった直後から輸出許可の申請に動いた。しかし中国商務省の審査に45営業日を要したため、許可が下りたのは(4~6月期の終盤の)6月中旬以降だったもようだ。

(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は8月27日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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