『ちはやふる -めぐり-』はなぜ"恋愛を控えた"のか? 贅沢品としての青春を誠実に描いた、静かな名作の功績を考える

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ドラマ『ちはやふる-めぐり-』イメージヴィジュアル
なぜ恋愛要素が控えめになったのか?(出所:『ちはやふる-めぐり-』ドラマ公式サイト)

2025年、映画版から約10年の時を経て放送されたドラマ『ちはやふる -めぐり-』(日本テレビ系)が、静かにその幕を閉じようとしている。

視聴率は伸び悩んだが、SNSでは放送直後から「じわじわ来る」「沁みる」という感想が散見されたり、人気のドラマランキングで上位にランクインしたりなど“ファンに愛されつづける名作”として記憶に残りそうだ。

映画3部作で一世を風靡した『ちはやふる』に新たな光をあてた今作。しかし、あの三角関係の“続き”を期待していた層には、やや肩透かしだったかもしれない。

だが今作が描こうとしたものは、“恋愛抜きの青春”という、新しい時代のリアリズムだった。

廃部寸前かるた部・再起の物語

本作は、映画『ちはやふる』3部作の10年後を描くオリジナルドラマだ。映画と地続きでありながら、まったくあたらしいストーリーで『ちはやふる』の世界が展開されている。

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