「"自由に遊べる時間が長い園"ほど運動能力が高い」という研究結果も!保育園選びで≪習い事の充実度≫ばかり重視する人の盲点とは?

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こうした園の保育者や園長は、「子どもがいま夢中になっていることは何か」「次にどんな活動を取り入れればさらに興味が広がるか」と語り、その目は真剣に輝いていました。学齢期を見通し、子どもたちに今身につけてほしい力を真剣に考えていることもわかり、頭が下がりました。

「保育=お世話」「そこに習い事が加われば付加価値がある」と考えがちですが、実際には日々の遊びや生活の質こそが、子どもの発達に最も大きな影響を与えるのです。

見学で注目すべき教育面のポイント

では、実際に園を見学するとき、教育的な視点からは何をチェックすればよいのでしょうか。

子どもが生き生きと楽しそうに過ごしているか
十分に体を動かせているか(園庭の有無や散歩の頻度、水遊びの機会)
遊びの空間に工夫があるか(おもちゃが自由に選べる収納、ままごとコーナーなど)
空間は十分あるか(保育室が過密だと、子どもはおもちゃを広げることもできない)
年齢に応じた玩具や本は用意されているか(年長児にはブロックや図鑑など)
子ども同士の自由な対話やごっこ遊びが見られるか(主に3歳以上児)
絵や造形に自由に取り組める環境があるか
植物や生き物を育てる活動があるか
園庭や砂場が使い込まれているか(泥んこ遊びができるか)
保育士が子どもに肯定的にかかわっているか

安全や衛生はもちろん重要ですが、それだけでは教育力は測れません。整然と片付いたフローリングの部屋は大人には美しく見えても、子どもにとっては退屈で魅力に欠ける場合があります。

さらに、見学時にはぜひ保育者に質問してみましょう。おもちゃの選び方、絵本の利用、園庭の使い方について問いかければ、その園が子どもの主体性をどのように考えているかが見えてきます。

教育面で重視すべきは、習い事や目に見える「特色」ではなく、子どもが日常の生活や遊びを通じていかに意欲的に学べるかという点です。

園選びを迷うときこそ、「ここで子どもは楽しそうに過ごせるだろうか」「自分からやってみたいと思えるだろうか」という観点を持ちましょう。それが、長い目で見たときに子どもの可能性を大きく広げることにつながります。

普光院 亜紀 「保育園を考える親の会」アドバイザー

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ふこういん あき / Aki Fukoin

早稲田大学第一文学部卒。保育園に子どもを預けて働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」顧問・アドバイザー。保育ジャーナリスト。大学講師。著書「後悔しない保育園・こども園の選び方」(ひとなる書房)、「不適切保育はなぜ起こる」(2024年6月20日刊行、岩波新書)ほか多数。

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