「サントリーの対応は迅速、記者会見も完璧」 しかし、新浪剛史会長の辞任だけでは解消できない《サントリーHDが抱えた"大きなリスク"》
なお、記者会見で配布された資料には「同氏(※編集部注:新浪氏のこと)が購入したサプリメントは当社グループ商品ではありません」といった断りが入っており、会見中もその説明があった。
用意周到であるといえるのだが、他社のものとはいえ、問題のあるサプリメントを購入したという事実は間違いない。
いずれにしても、消費者のイメージダウンは免れないだろうし、場合によっては販売にも影響しかねないように思える。
短期的には、同社の商品や企業の広告、特にサプリメントの広告の出稿を控えるのか、続けるのかという問題も出てくるだろう。
「完全な同族経営」へと回帰していくのか
現代においてやっかいなのは、たとえ新浪氏が「シロ」、すなわち違法行為を行っていなかったということになったとしても、疑惑を完全に消すことが難しいという点だ。
地位や権力がある人ほど、事実ではなかったとしても「もみ消した」「隠ぺいした」という声が上がりやすいし、「陰謀論」にもつなげられやすくなる。
サントリーは大手企業の中で同族経営を行って成功してきた企業だが、新浪氏という外部人材を起用してさらなる成長を遂げることに成功した。
しかしながら、こうした結果になってしまったことを鑑みると、サントリーHDが以前のような「完全な同族経営」へと回帰していく可能性もあるのではないかと思う。
現時点では、新浪氏の行為がどの程度深刻な問題であったのかは不明であるが、及ぼした影響は多大であるだろう。
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