なぜ「指輪」なのか? スマートウォッチにないOuraだけが持つ"圧倒的な価値"とは

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この継続的な機能追加を支えるのが、月額999円(年額1万1800円)のサブスクリプションモデルだ。基本的な3つのスコアは無料で確認できるが、詳細な睡眠ステージ分析、ストレスの可視化、体温変化の追跡など、より深い健康インサイトを得るには有料会員になる必要がある。「サブスクリプション導入前は、これほど頻繁なアップデートは不可能だった」とスウィーニー氏は語る。

急成長市場でオーラが8割のシェア

調査会社IDCによると、2023年の世界スマートリング市場は88万台で、オーラが80%のシェアを占めた。2位はインドのUltrahuman(ウルトラヒューマン)で12%。2024年は170万台、2028年には320万台まで成長すると予測されている。

日本市場について、IDC Japanの井辺将史アナリストは「2023年、2024年ともに数千台程度の市場で、ほとんどがOuraで占められている」と説明する。一方、アジア太平洋地域全体では2023年の約14万台から2024年は約49万台へと急成長している。

市場規模でみると、調査会社Stratistics MRCによれば、2024年の世界市場は2005万ドル(約31億円)で、2030年には1億9065万ドル(約300億円)に達する見込みだ。年平均成長率は30.9%という高成長が期待されている。

これまでスマートリング市場は、オーラやUltrahumanなどの専業メーカーが牽引してきた。しかし状況は変わりつつある。

 

2024年7月、韓国サムスン電子が「Galaxy Ring」を発表した。初期出荷40万台という強気の数字は、オーラが過去6年間で販売した個数とほぼ同等だ。報道によると、予約好調を受けて年内生産数を100万台に引き上げたという。価格は400ドル(約6万5000円)で、サブスクリプション費用は不要。

Galaxy Ring
サムスンのヘルスケア型スマートリング「Galaxy Ring」。日本では2025年2月に発売された(筆者撮影)

「巨大グローバル企業であるサムスンの参入で、スマートリング市場の注目度は飛躍的に高まった」と井辺氏は指摘する。「サムスンがRingデバイスで成功すれば、他のビッグテックも同市場に参入してくると思われる」。

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