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「ホストを描き、初回から異例のテロップ」「イロモノと思わせて純愛」 ドラマ『愛の、がっこう。』が波紋を呼ぶも"名作"だといえるワケ

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一方カヲルも、自分のことをホストとしてではなく、1人の人間として接してくれる愛実に心が動かされていく。

『愛の、がっこう。』のタイトルロゴは手書きなのだが、カヲルが字を書けるようになるにつれ、少しずつ文字がアップデートされていくようになっていて、それも話題の1つだ。

主演は木村文乃。生真面目な教師・愛実を好演している(画像:『愛の、がっこう。』公式サイトより)

教育を十分に受けられない子どもたちの存在

冒頭で引用した「あなたは恵まれない青年への慈愛から行動したのでしょうか。それとも自身の欲望の発露だったのでしょうか」の間で愛実は悩む。

慈愛or 欲望。人間の中にはそのどれもが存在する。ホストたちは、金のために女性たちをある種騙していて、それは社会的に悪とされる。でもこのドラマでは彼らだけが闇の象徴ではない。

愛実は過去、恋愛に流されてしまったことがあるし、目下、彼女が結婚を考えている婚約者・川原洋二(中島歩)はエリート銀行員だが、愛実のほかにもつきあっている女性がいて、でも愛実とはちゃんと結婚しようと考えているという、ちょっとヘンな人だ。川原を演じている中島歩のエキセントリックな演技がすばらしい。

川原は、愛実とカヲルの関係を怪しみ、2人の後をこっそりつけた挙げ句、カヲルに暴力を振るう。誰かに執着するという点において、昔の愛実とさほど変わらないだろう。

愛実には婚約者(中島歩)がいるのだが……(画像:『愛の、がっこう。』公式サイトより)

また、ホストクラブの超太客・宇都宮明菜(吉瀬美智子)は、ホストたちをお金でいくらでも動かせると見下している。彼女もまたホストに執着し刃傷沙汰を起こす。

いまは法律で禁じられていることをしているホストたち、それを悪と嫌悪する人たち、自ら率先してその世界に興じる人たち。

ホスト=悪と単純化することなく俯瞰したことで見えてきたのは、生きるためにホストという職業しか選択できなかったという事情。そこには日本の教育の問題があった。

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【問題の背景には、教育格差、経済格差が存在している】

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