「ホストを描き、初回から異例のテロップ」「イロモノと思わせて純愛」 ドラマ『愛の、がっこう。』が波紋を呼ぶも"名作"だといえるワケ
色恋営業も行っていて、主人公・愛実は危うく巻き込まれそうになる。
そのため初回から「令和7年6月28日に改正風営法が施行されました。このドラマのホストクラブにおける一部表現には、違反となりうる営業行為が含まれています。改正風営法については、番組公式ホームページをご覧ください」というテロップを出し、注意喚起がなされた。
ドラマの内容よりもそっちが注目されたといっても過言ではなく、こうなるともうイロモノドラマの印象のほうがぐっと強くなる。

ホスト・カヲルの恵まれない家庭環境
ところが話が進むにつれて、決してイロモノではなく、むしろ純愛ものの色合いが濃くなっていく。
それはひとえにホストのカヲルの存在によるところが大きい。派手なビジュアルで、そのイケメンぶりを生かしてナンバー1の座をライバルと争っている彼は、家庭環境に恵まれず読み書きができなかった。
愛実は当初、カヲルにハマった生徒と彼を引き離すためにホストクラブに乗り込んだ。そこで高校生が熱をあげていたカヲルが自分の名前すら漢字で書けないことを知り、字を教えることにする。
2人だけの特別授業。最初は反抗的で、育ちのよい愛実を太客候補として狙っていたカヲルだが、徐々に愛実に心を開きはじめて……。

そうはいってもカヲルの仕事はホスト。情では動かない。得意の色恋営業で愛実をからめとろうとするも、彼女は一向に落ちない。それには理由があった。
厳格な家に育ち生真面目で奥手というだけでなく、過去に手痛い失恋をしていて、自分を律していたのだ。
振られた恋人にストーカー的な行為をした末に絶望して自殺を図るという、真面目が行きすぎてしまった経験があったからこそ、百戦錬磨のホストへの警戒心は人一倍。だが、カヲルの手慣れた恋人仕草や、素直に勉強する姿を間近で見ていると、時々、心が揺れてしまう。
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