インド駐在員に人気のフリーペーパー『Chalo』、創刊編集長・新舎春美氏に聞く
インド駐在員に人気のフリーペーパーがある。2010年末から発刊されている「月刊Chalo」。デリー近郊の日本人向けホテルや食品店、さらには政府系機関などでも、品切れしていなければ入手ができる。同誌を立ち上げた編集長が新舎春美氏(写真)。
リクルート『ホットペーパー』での編集経験を活かして、「行ったことがなかった」という「インド」でいきなり事業を立ち上げ、1年で発行部数とページ数は倍増、インド駐在員にとって重要な情報インフラの一部となっている。
生活情報誌らしく、のほほんとした軽いタッチで編集されている同誌だが、切り取られた「日系社会の今」は、「辺境から普通の新興国になっていくインド」と「日系企業進出の新時代」すら、感じさせる。
「全然大変じゃないです」と大阪ノリで言ってしまう同氏に、インドでの起業経緯、インド駐在や企業支援に関する今後の展開などについて、デリー南部の日本人向けホテル「アバロン」にて取材した。
--フリーペーパーChaloの出現は、インド駐在員、長期出張者にとって大変ありがたいものだと思います。インドではこれまで「日本人が自らの足で稼いだ生活情報」というのは「日本人会」の冊子くらいしかありませんでした。現在は、何人でやっているのですか?
私のほかに、インド人が1人と公私ともにパートナーの日本人がいて、3人でやっています。いま日本にいる日本人パートナーが、インドの日系会計事務所で3年ほど働いていたので、業務遂行にはまったく問題ありません。税制や法律関係は彼ら2人が担当し、編集は私1人でやっています。私は驚くほど英語が話せませんが、パートナーに助けてもらっています。
--なるほど。順調にいっていますか。
レスポンスは悪くないので、集客などにお役に立っているのかなと思います。まずは「ないものをつくる」「ニーズに応える」ことが大事かなと思っています。まだ、日本で生活できるほどの収益にはなっていないんですが、インドでやっていく分には十分です。
例えば、何か企業進出のサポートや旅行会社をやるにしても、こういうメディアを持っているとやりやすいですから、まずはこのフリーペーパーを軌道に乗せたいと思っています。