インド駐在員に人気のフリーペーパー『Chalo』、創刊編集長・新舎春美氏に聞く
インドでは日系企業の方が集まって話をしたり、日本人同士で交流する機会が多いです。しかし、そこで名刺交換と挨拶をして世間話をするだけで、あまりビジネスの話をしません。自分の会社と相手の会社が、どのように協力できるかを考えながら接するということができていないのです。
日系企業が800社も1000社も進出しているのに、もったいない話だと思いませんか。日本だと新規での取引が難しくても、インドならば取引できるチャンスもあるはずです。
--確かに、そうかもしれません。
日系企業のネットワークを助けられるようなビジネスができればと思っています。それを一般のフリーペーパーと区別して季刊で試してみる価値はあると思うんです。私は飲食、美容、お稽古など生活情報誌的な編集経験しかありませんので畑違いかもしませんが、ニーズがあるのであれば、ビジネス版もと考えているところです。
--日系を視野に入れたBtoBの企業にとっては重宝されるかもしれません。
アイデアを行動に移すかどうかがいちばん大事です。
--行動派でありながら、起業までインドに来たことがなかったというのは、面白いですね。
今まで何度も旅行でインドに来ようとは思いましたが、暑い時期で、行き先がタイになったりして、遂に来ませんでした。世界一周したときにインドに寄らなかった理由は、スペインでスリに遭ったんです。世界一周中にいったんギブアップして日本に帰国して、仕切り直して、また世界一周を再開しましたが、スペインでトラブルに巻き込まれるなんて。こんなことではインドに行くことはできないと思い、敬遠しました(笑)。
--実際、起業してインドに来て、住んでみたわけですが、どう思いますか?
結構、住みやすいと思っています。と言いますか、駐在員の場合は2~3年でインドを離れますが、私の場合はビジネスを自分で始めてしまいましたので、何があっても受け入れるしかありません。毎日イライラしても仕方ありません。だいぶ慣れました。