ユニクロもコラボした「ラブブ」、世界的ブームで最高益、快進撃の舞台裏。ポップマートCEOが明かした“キティ、ナルト”への野望
昼過ぎに商品を取り扱う秋葉原の店舗にも行ってみた。入り口でベビーカーを押す女性2人が「今日、ラブブのTシャツが発売らしいよ」「あれって正直かわいいと思える?」と話題にしており、認知の広がりを実感する。
店内はスマホで話しながらラブブのスウェットを4、5枚かごに入れる女性客がいたものの、全体としては落ち着いており、争奪戦も起きていなかった。


メルカリにはさっそく商品が出品されていたが、朝一で商品を手に入れた転売ヤーにとっては拍子抜けだろう。
印象的だったのは店員に「モンスターズのTシャツはありますか」と聞いたときに、「モンスターズですか?」と伝わらなかったことだ。「ラブブ」と言い換えると、「あ、ラブブですね」とすぐ案内してもらえ、ラブブの知名度が独り歩きしているのもよく分かった。

8月19日に発表されたポップマートの2025年1~6月決算には、絶好調ぶりが存分に現れた。
売上高は前年同期比3倍の138億8000万元(約2800億円)、純利益は同5倍の45億7000万元(約940億円)だった。
売上高、純利益ともに過去最高で、すでに2024年通期の数字を上回っている。原動力は言うまでもなく世界的なブームが続くラブブ。ラブブが属するザ・モンスターズの売上高は同7.7倍の48億1000万元(約990億円)で、全体の34.7%を占めた。
粗利率は前年同期の64%から6.3ポイント拡大し70.3%となり、中国メディアは「エルメス並みの利益率」ともてはやしている。サンリオの直近の粗利率も70%以上あるので、比較対象にエルメスを持ち出すあたりがいかにも中国っぽい。
長らく「目立たなかった」ラブブ
彗星のように現れたラブブとポップマートだが、その歴史は意外にも長い。創業者の王寧氏は2010年、大学を卒業してすぐ北京市に雑貨店を開き、ポップな市場を意味する店名をつけた。
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