「コハウジング」を選択する人が増えている理由、コミュニティー意識が高まるものの共同生活ならではの難しさも

エングバイラー氏のクラフトベルク1はさまざまな選択肢を備えるコハウジング開発を進めるPhotographer: Lena Amuat for Bloomberg Businessweek
スイスのチューリヒは、湖畔の美しい景観と中世の街並みで知られる。アルプスにも近く、何万人もの銀行員が暮らす都市だ。物価が非常に高水準で、昨年には海外駐在員にとって生活費が高い世界の都市ランキングで3位に入った。
だが、エネルギーコンサルタントのハンスヨルク・テンペルリさんは月約870スイス・フラン(約15万9000円)で、約440平方メートルの集合住宅に住んでいる。
広々としたリビングには、3つのソファとビデオプロジェクターが備えられ、2つのバルコニー、大型のキッチンやダイニングエリア、ボードゲームのコーナーまで付いている。
しかし、テンペルリさん(40)とガールフレンドが専用で使えるのは寝室とバスルーム、そして小さなリビングだけだ。残りのスペースを他の8人と共有している。「家賃は安いかもしれないが、その分、共同生活にかなりの時間と労力をかける必要がある」とテンペルリさんは話す。

クラスターフラットのバルコニーでたたずむテンペルリさんとガールフレンドPhotographer: Lena Amuat for Bloomberg Businessweek
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