最初の結婚時とは立場が逆転した今になってやっと「昔はそのありがたさを理解できていなかった」と感じるようになった。「以前は、家のことは全部奥さんに押し付けていたんだなあと。申し訳なかったなと思います」。
料理担当として、娘さんの食事内容についても敏感になった。
「どんなものを食べさせようとか、どういうものを作れば残さないのかとか。また、最近は全体的に物価も上がっているので、買い出しをするときもできる限り節約を心がけます。こういうことは直接『収入』にはならなくても、これは本当に大変な労働だなと。もし、時間給ではなく業務報酬のような形なら、もしかしたら男の労働より上回るのではとすら思いますね。
共働きが当たり前になってきたこの時代ですから、家のことや子どものことはよほどイーブンにしないと、とても釣り合わないと思います。ゴミ捨てだけして『家事を分担できている』という夫がいたら一言言ってやりたいですね。昔の自分のように(笑)」
それでも、30年前の父親たちとは全く変わったと感じることもある。
「先日行った入学式でも、お父さんがほとんど参加している。それも下の子を抱っこしながら。30年前には考えられなかった光景です。当時は、母親しか出席しなくてもむしろそれが当たり前でした。その変化には安心感を覚えましたね。ただ、子どもの数自体は昔より減っていますが」
「若い世代との交流」で視野が広がる
年齢を重ね、視野を広げ続けられる海嶋さんのようなタイプもいれば、逆に視野が狭く、考え方が固くなっていくようなタイプの方も少なくはない。そうならない秘訣を聞いた。
「若い方と交流することですかね。僕は『忘年の交わり(年齢や立場に関係なく、親しく交流することの意)』という言葉が好きなんです。同世代とばかり話をしないで、違う世代ともどんどん話をすることが大事なんじゃないでしょうか。奥さんもそうですが、例えば学童保育のスタッフの方とかと話していても本当に楽しいですね」
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