あなたの銀行は大丈夫?――きちんと知っておきたい「地銀」と「信託銀行」のホントの話

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さらには、都市銀行のりそな銀行の持株会社であるりそなホールディングスは、埼玉りそな銀行のほか、地銀の関西みらい銀行(大阪府)、第二地銀のみなと銀行(兵庫県)を傘下に抱えています。

ネット証券大手のSBI証券を有するSBIホールディングスも、地銀との連携で巨大な銀行グループの形成を目指す「第4のメガバンク」構想を打ち出し、地銀の筑邦銀行(福岡県)、清水銀行(静岡県)、第二地銀の福島銀行(福島県)、東和銀行(群馬銀行)など、多くの銀行と資本業務提携を結び、しかも傘下にSBI新生銀行も抱えています。

このように、地方銀行の再編は都市銀行やネット証券なども巻き込んだものとなり、今後もその流れは加速していくことになるでしょう。5年後、10年後の地方銀行、第二地方銀行の勢力図、業界地図は、現在と大きく異なっているのかもしれません。

知られざる信託銀行の世界

続いて紹介するのは、信託銀行です。信託銀行という言葉自体は聞いたことがあっても、どんな仕事をしているのかよくわからないという人が多いのではないでしょうか。

では、信託銀行とはどんな銀行で、都市銀行や地方銀行と何が違うのか。

信託業務を営む金融機関や信託会社などが加盟する信託協会のホームページには、「信託銀行とは、『銀行業務』のほかに『信託業務』と『併営業務』を行っている銀行のこと」と説明されています。

もっとも、「『信託業務』と『併営業務』を行っている銀行」といわれても、そもそもどんな業務だか、正直よくわかりませんよね。まずは、この2つの業務についてみていきましょう。

「信託業務」とは?

まず「信託業務」とは、個人や法人が自らの財産を他者に預け、その他者が管理・運用することを指します。文字通り、お金や不動産などの財産を、「信じて託す」わけです。

この託す側を「委託者」、託される側を「受託者」と呼びます。

もともとは資産家から株式や不動産などの資産を託され、管理、運用することで利益を上げ、そこから手数料を受け取るというビジネスでしたが、現在ではより広く普及させるために商品化されたサービスも少なくありません。

例えば「金銭信託」はその代表ともいえ、顧客(委託者)から預かった資金を運用し、収益を配当するもので、銀行預金に近い商品です。

あるいは、今ではかなり一般的になった投資信託も信託銀行が受託者となり、委託者である資産運用会社の指示を受けて運用、管理する仕組みになっています。

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