新型コロナの新変異株「ニンバス」とは?「カミソリを飲み込んだような強烈な喉の痛み」が特徴。子どもの感染も目立つ《医師が解説》

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もちろん、接種を受けるかどうかはそれぞれの家庭の状況や価値観に基づいて判断していいと思います。ただ、こうした科学的な知見は「重症化やまれな合併症を防ぐ手段として、選択肢の1つになりうる」という意味では、参考になるかもしれません。

さらに、ワクチン以外の分野でも希望が見え始めています。

たとえば、Long COVID(長引く症状)に対しては、腸のバリア機能の低下が発症に関与している可能性が示されているので、腸の環境を整え、ウイルスによって引き起こされる腸の炎症反応を軽減することを目的とした薬(ララゾチド)の研究が進められています。

また、喘息などの持病を持つ小さなお子さんに対しては、抗ウイルス薬レムデシビルの早期投与で、回復期間が短縮されたとの報告もあります。

これらはまだ研究段階であり、一部の症例を対象とした研究結果なので、すべてのお子さんに当てはまるわけではありませんが、今後の治療の選択肢として広がっていくことが期待されます。

大事なのは親の「直感」

このように、ワクチンや治療法の研究が進み、少しずつ希望も見えてきています。しかしながら、やはり日々の中で、家庭内でお子さんの様子を見守ることの大切さは変わりません。

医療現場での経験から、筆者がいつも親御さんにお伝えしているのは、「“何かおかしい”と感じたら、その直感を信じてください」ということです。

「自分は医療の専門家ではないから……」と遠慮される方もいらっしゃいますが、お子さんの一番そばにいる家族の感覚は、本当に頼りになります。ときには、どんな検査よりも早く、敏感に異変を感じ取ることがあります。

実際に筆者も、これまで何度も家族の「なんだか様子がいつもと違う気がする」という一言が、迅速な診療につながったケースを経験してきました。ですから、遠慮せずに不安や違和感を覚えたときは、迷わず医療者に相談することが大事です。

それが、大切なお子さんを守る大きな力になります。

小林 茉保 ナビタスクリニック小児科医師

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こばやし まほ / Maho Kobayashi

国際基督教大学教養学部社会科学科卒業後、一般企業にて社会人経験を積む。東海大学医学部医学科に学士編入学し、一人娘を育てながら同大学を卒業、医師免許を取得。聖マリアンナ医科大学病院にて初期臨床研修および小児科研修で研鑽を積み、現在ナビタスクリニック小児科に勤務。

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