「他の店舗も同じでしょ?」と思われかねない…ミニストップ「消費期限の偽装」で生じる”最大の問題”

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わかりやすい例で言えば、毎年2月には「恵方巻」の売れ残りが棚に並び、大量に廃棄されているといった報道が流れる。夏の「土用の丑の日」における、うなぎ関連商品もそうだ。

いずれも店舗側は予約購入を用意しているが、「気軽に買える需要」を拾おうとしている印象は否めない。

“コンビニエンス”の原点とは?業界全体で現状把握を

この“気軽さ”こそが、コンビニの長所であり、また短所でもある。その名の通り、コンビニエンス(利便性)で勝負しているのだが、だからこそ、少しでも構造的な負荷がかかると、一気に利便性はそがれてしまう。

コンビニの店内調理は、確かに便利だ。公共料金などの収納代行や、イベントのチケット発券、プリペイドカードの販売や、宅配便の集荷・受け取りも、いまや当たり前となっている。しかし、どれもコンビニの本来的な業務ではない。

いま触れたこれらは、あくまで付帯的なサービスでしかない。メインはあくまで、商品を発注し、棚に並べ、レジで精算することにある。もし、総菜調理で手いっぱいになり、便利さが失われてしまうのなら、本末転倒だとしか言えない。

そう考えると、今回のミニストップ事案からは、コンビニ業界が抱える構造的な問題が見えてくる。ここらで「肥大したコンビニ業務」を整理するタイミングが来ているのかもしれない。

突き詰めた先には、切り捨てざるを得ないものもある。“コンビニエンス”の原点に立ち返って、その意味を見極めない限り、他社にも余波は出てくるだろう。「ミニストップだけの特殊ケースだ」と考えず、業界全体で現状把握を行う良いきっかけになったのではないか。

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