「あそこのガスト、資さんに変わったの?」加速する「すかいらーくHD」ブランド転換戦略、狙いはどこにある?

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以下、一例をあげてみよう。

ステーキガスト奈良柏木店(9月28日閉店)

資さんうどん 奈良柏木店(11月中旬オープン)
※8月5日発表
ステーキガスト大分木ノ上店(9月7日閉店)

資さんうどん 大分木ノ上店(10月下旬オープン)
※8月4日発表
ステーキガスト羽曳野店(8月31日閉店)

資さんうどん 羽曳野店(10月中旬オープン)
※7月24日発表
ガスト浦和中島店(8月18日閉店)

資さんうどん 浦和中島店(10月初旬オープン)
※7月22日発表
ガスト尻手店(8月下旬閉店)

資さんうどん 浦和中島店(10月3日オープン)
※7月17日発表

資さんジョインでポートフォリオが強化

これらの店舗はなぜ、改装費用をかけてまで改装されるのか? すかいらーくHDの狙いは「デフレマインドへの対応」にありそうだ。

すかいらーくグループ
すかいらーくグループのポートフォリオ(すかいらーくHD・決算資料より)

すかいらーくHDでは約20業態ほどのポジションを明確にするために、単価や客層などを図表化した「ポートフォリオ」を作成している。「資さん」は「ファミリーダイニング・低単価」と位置づけられており、うどん一杯300円台から、客単価で800円~900円の「資さん」は、手ごろな日常食を求める層に向けた業態として位置づけられている。

一方で、転換の対象となる「ステーキガスト」「ガスト」などは単価が高い“プチ贅沢”業態であり、今どきの「デフレマインド」に対応しているとは言いがたい。食事にもコスパが求められる時代に、高単価な他ブランドから「ファミリーダイニング・低単価」な「資さん」に転換させるのは、きわめて理にかなった、デフレ局面に合った戦略と言えるだろう。

ここで生かされてているのが、すかいらーくHDへの傘下入り前から発揮されていた「転換・居抜き能力」だ。「資さん」は九州全域に勢力を広げる際にもレストラン・ドラッグストア・カフェなどの跡地をうまく活用しており、(いい意味で)立地・客席配置などに特徴がない。

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