「あそこのガスト、資さんに変わったの?」加速する「すかいらーくHD」ブランド転換戦略、狙いはどこにある?
藍屋によくある低い三角の屋根はそのまま、県道側に出されていた「天ぷら・蕎麦 藍屋」の野立て看板は、クルマの駐車マナー案内や「サクサクごぼ天 資さん」の巨大看板に変わっている。
店内でも、藍屋の特徴である個室などの空間を、段差もそのまま「プライバシーが確保されたボックス席」に転用。見る人が見れば「これ、もともと『藍屋』?」と感づきそうな要素が、外観から店内まで、隠すこともなく残っているのだ。サッと「資さん転換」ができる要因は「大して何も変えなくても転換できるから」であろう。

ただし、三郷店は藍屋時代からの正面玄関の位置を変え、ゆったりした個室などがあったスペースを店舗横に付け替えることで、混雑時には1時間・2時間待ちが生じる「資さん」での「うどん待ちスペース」確保に成功している。すかいらーくHD側の発案か「資さん」側かは不明だが、店舗開発の能力の高さ・柔軟さがうかがえる一面だ。
家族連れで賑わう店内
15分ほど待って、店内に着席。夏休み(※取材時)の金曜・15時台店内は……約90席のうち、パッと数えて十数卓の4人掛け席が、ほぼ満杯。母子連れを中心とした家族連れ多さから「夏休みでヒマそうな子供を、とりあえず『資さん』に連れてきた」ような人々が多いようだ。
また、20席ほどの一人掛けカウンターがあり、こちらは混み合っていない。三郷店は江戸川をまたいで草加市・三郷市(埼玉県)、流山市(千葉県)につながる県道にあり、早朝や平日昼間には、このカウンターがドライバーの拠り所となるのだろう。
なお決算資料によると、同様に地域の幹線道路沿いにある「足立鹿浜店」(東京都足立区)は、深夜3時でも満席になるときがあるのだとか。
広報ご担当者様に「足立鹿浜店が、深夜でもかなり稼働しているという資料を拝見しました。他の店でも、深夜の稼働率は好調でしょうか?」と尋ねたところ、「他の店舗におきましても深夜時間帯の稼働も好調です。現在、関東地域で24時間営業をしているのは『足立鹿浜店』『八千代緑が丘店』『北鴻巣店」』の3店舗となりますが、その他店舗につきましても、営業時間の延長を含め、お客さまの多様なニーズにお応えできるよう努力して参ります」と、期待の持てる返答をいただいた。
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