TKO木下隆行「タイ移住」は挑戦か逃避か? 迷走の果てに自ら閉ざした“再起の道”

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TKOというコンビが世間からの評価を取り戻すためには、今後もネタを作り続けて、地道にライブを行い、笑いの現場で汗を流す姿を見せるのが唯一の道ではないかと期待されていた。

しかし、そんな状況で木下が選んだのは、個人でタイに移住するという決断だった。今後も一時的に帰国して仕事をする可能性もあると語っていたものの、コンビとしては事実上の活動休止状態になってしまうのは間違いない。

タイでの活動について木下の口から具体的な計画が何も語られていない以上、世間から見れば、ここでもまた不誠実さが露呈したように映る。

タイ移住に具体的な展望がないのであれば、成功につながる見込みも薄く、国内での活動基盤を完全に失い、再起のチャンスを自ら断ってしまったようにも見える。

コンビとしての復活への道筋は遠のいた

2人ともテレビに出る機会はほとんどなくなっていて、TKOというコンビそのものが表舞台から消えつつある。そんな状況下での木下の決断は、自らの可能性をさらに狭め、未来を閉ざしてしまった印象が否めない。

今回の移住発表は「新しい挑戦」というよりも「行き場を失った末の逃避」に近いように見える。少なくともコンビとしての復活への道筋はますます遠のいた。

かつてはテレビの中でもたしかなポジションを築いていた芸人が、過ちを繰り返し、結果的にどんどん厳しい状況に追い込まれている。迷走を続ける彼らが「コント」という原点に再び戻ってくる日は訪れるのだろうか。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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