「アパレル起業で年商7.2億円」を捨てて飲食事業に参入→行列店を次々と手掛ける!27歳・気鋭の若手起業家の”抜け目ない戦略”
穀本氏は「仲間に恵まれて運がよかっただけです。2020年のコロナ禍ではみんなが外出できずにSNSを見るようになって、ネットショッピングが盛り上がった追い風もある」と謙遜するが、当然それだけではない。
「単なる“インフルエンサーのファングッズ”にならないようには意識していました。初動こそインフルエンサーの影響力を使って売上を伸ばすものの、それだけではすぐ頭打ちになる。
目指していたのは、ブランドのファンを増やすこと。ブランドのインフルエンサーを知らなくても欲しいと思われる商品づくりや、仮にインフルエンサー本人が抜けたとしても持続可能なブランドづくりを大切にしました」(穀本氏)

yutoriにグループ入りして上場を経験
しかし、またしても次なる壁が。売上は順調に伸びながらも、その急成長に体制が追い付いていなかったのだ。
「インフルエンサー集団として“攻め”の姿勢は十分だったのですが、“守り”の裏方業務を担うのは僕一人。当時はネット販売だけでなく実店舗も2つ出店しており管理が追い付かない。しんどくなって、yutori代表の片石貴展さんに相談しました」(穀本氏)。
そこで見出した活路がyutoriへのジョインだ。yutoriは2018年、当時24歳の片石氏が創業。A.Z.Rと同じくZ世代向けアパレル事業を展開しており、上場した現在も飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を伸ばし、事業を拡大中だ。
穀本氏は片石氏ともともと交流があったという。その時yutoriは上場に向けての準備を進めている段階で、会社組織としての体制は整っていた。その傘下に入るメリットは大きい。「yutoriとしても、僕らのブランドが持っているコミュニティが魅力だったようです」(穀本氏)。
2022年、設立3年目のA.Z.Rはyutoriにグループ入りする。そこで穀本氏はyutoriの執行役員として同社の成長に尽力した。互いに相乗効果を発揮し多くのヒットブランドが生まれ、その勢いに乗りyutoriは2023年12月、東証グロース市場へ上場を果たす。

ここまで順風満帆なアパレル人生を送っていた穀本氏。しかし、2024年8月に同社を退職し、飲食事業に乗り出した。一体、何があったのだろうか?
後編では、穀本氏が飲食事業を始めた理由やその戦略、またZ世代に支持される店や商品づくりに迫る。
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