【脳科学者が明かす!】本の知識がなかなか定着しない、読んでもすぐ忘れる…を解消する「脳の使い方」

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『シン読解力』の中で、新井先生が「脳のワーキングメモリを無駄な活動に消費しないことが、本当に必要な情報を処理し、必要なときに取り出して問題解決にあたる上で重要」だとおっしゃっていました。

ワーキングメモリとは、「情報を一時的に保持して操作する力」です。単純な「短期記憶」とは異なる概念で、記憶を「使う」機能が求められます。

例えば、ワーキングメモリを測定する典型的なテストが、数字の逆唱です。

「6・2・9」と私が言ったことに対して、回答者が「9・2・6」という形で答える。これは、「6・2・9」という情報を一旦頭に入れて、それを逆方向に入れ替えて出力する、まさに情報を一時的に覚えて、かつ操作するテストなのです。こういった能力がまさにワーキングメモリです。

本の知識が定着する「能動的」読書法

たとえば本を読むとき、2点注意すると、脳の中の前頭前野という領域が活性化することにつながると考えられます。前頭前野とは、言語や論理的思考、感情の制御、共感や思いやりなどの機能を司る、いわば脳の司令塔のような領域です。

1つ目は、本を能動的に読むことです。

本を受動的にぱっと眺めているだけでは、記憶には定着しにくいでしょう。読みながら自分の頭で内容や要点を整理し、問いを立て、理解を深めていく「能動的な読書」をすることが効果的です。

2つ目は、読んだ情報のアウトプットをすることです。大切なのは「入力」と「出力」をセットで行うこと。

読んだ内容をメモにまとめたり、人に説明したりする「出力」も記憶を強化するカギとなります。これは「アクティブリコール」とも呼ばれ、記憶の定着を大きく高める学習法として知られています。

一度覚えて、それを思い出すということをセットで行うことで、記憶というのは強化されていくと言われています。

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