「生活保護を受けていると、引っ越し費用は行政から出るんです。でも、ゴミ屋敷の片付けは出る自治体と出ない自治体があって、生活福祉課のさじ加減で決まってきます。また、費用が出ると言っても限度額があるので、差額分は支給額から捻出しなければならないこともあります」
生活保護を受けているとある家庭が、イーブイの動画を観て「この業者にお願いしたい」とケースワーカーに相談したとする。とはいえ、税金でまかなう以上、費用は可能な限り抑えなければならない。
「何社かに見積もりをしてもらったうえで、もっとも安い業者にお願いすることになります。そうなると悪徳な業者が交じってくることもあるので、『どうしてもイーブイに』とおっしゃってくださる方のために、なんとか利益を削って担当することもあります」
そうまでしたにもかかわらず、料金未払いのまま連絡がつかなくなる家庭もある。

ゴミ屋敷の現場を動画配信する理由

ビジネスの観点からすれば、分割払いにする場合は利子をつけるか、そもそも支払う能力のない顧客の依頼は受けないことだろう。
それでも、リスクのある依頼を受け続ける理由とは何なのだろうか。
「私も従業員たちの生活を背負っているので、もちろん相手を見て分割の支払いを断ることもあります。でも、“助けて”って言われたら簡単に断ることなんてできないじゃないですか。世間が気付いていないだけで、ゴミ屋敷で悩んでいる人ってめちゃくちゃ多いんですよ。そういう人たちが一歩踏み出して私たちのような業者に相談するきっかけをつくるために、動画を配信しているんです」
そうしてイーブイにたどり着いたゴミ屋敷の住人の想いを、無下にすることなどできない。


記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら