郵政3社株は、どれを買ってもそこそこ儲かる 今後の利益成長は不透明だが需給面で追い風

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しかも、「ゆうちょ銀行と日本郵便、「相互依存」の矛盾」(10月20日配信)でも指摘されているように、ゆうちょ銀行は日本郵便に対し、毎年6000億円以上の委託手数料を支払っている。

ゆうちょ銀行がこの経費を節約しようとすれば、日本郵政グループの物流会社である日本郵便の利益が大きく減少することになる。一方、例えば日本郵便が窓口業務の手数料を値上げしたらどうなるか。今度は、ゆうちょ銀行の利益が大きく減少することになりかねないのだ。

上場後も、ファンドが「自動的」に買ってくる

多くの矛盾を抱えるといわれる今回の日本郵政グループ3社の上場だが、それでも11月4日の上場時には、「順調な船出」となる可能性が高い。というのも、需給面の追い風などもあるからだ。

つまり、12月末に向けて、TOPIX(東証株価指数)に組み入れられるため、TOPIX連動型のファンドが買ってくるからだ。こうしたファンドの買い入れ額は1000億円規模になることが予想されるため、需給面で大きな追い風になる。

1987年のNTT上場時ほどの盛り上がりはないものの、上場後買った人でもしばらくの期間は「そこそこ」儲かる可能性が高い。だが、そのあとはどうなるのか。政府による3社株の「追加売却」は今後2~3年ごとに、あと2回あるからだ。この時点では、まだ皆が最後までハッピーとなるのか、結末はわからない。

福井 純 「会社四季報オンライン」編集部長

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ふくい・じゅん / Jun Fukui

『会社四季報プロ500』編集長などを経て現職。『株式ウイークリー』編集長兼任。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)、日本テクニカルアナリスト協会理事

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