政府による大飯原発再稼働のゴーサインを前に、民主党内から反対意見が噴出
会合では、大飯原発3、4号機の安全対策が十分とは言いがたいものであることも指摘された。
谷岡氏からは「現在、大飯原発には免震棟がなく、緊急時には作業員の安全が確保できない。代替施設として、3、4号機の間に107平方メートルのスペースがあるだけだが、いったい何人収容可能なのか」との質問が出た。これに対して深野・保安院長は「30人程度。中央制御室の横の会議室と併せて50人くらい。免震事務棟については裏の山を整地して2015年度までに建設を終えたい」と回答した。
免震事務棟の新規建設が必要であるのみならず、大飯3、4号機の地震対策では、再稼働後の「完了予定」項目が多い。必要機器に給電するための緊急用高所受電設備設置は15年度完了予定。専用の建屋を持つ大容量の恒設非常用発電機を津波の影響を受けない高所に設置するのも同年度の予定とされている。
地震による長時間におよぶ外部電源喪失防止のための外部電源対策についても、個別対策の多くは完了は今年度以降となっている。フィルター付きのベント設備の設置も15年度まで待つ必要がある。一方、すでに「対策実施済み」とされている事故時に必要な数の高線量対応の防護服がわずか10着しかないことも判明している。
荒井聰・民主党原発事故収束対策PT座長
政府の判断を拙速だと批判する福山哲郎参議院議員
(岡田広行 =東洋経済オンライン)
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