政府による大飯原発再稼働のゴーサインを前に、民主党内から反対意見が噴出

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政府による大飯原発再稼働のゴーサインを前に、民主党内から反対意見が噴出

ストレステスト(耐性評価)の第1次評価を踏まえて政府が週内にも関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を「妥当」と判断しようとしているのを前に、与党の民主党内から「拙速だ」と批判する声が相次いでいる。

民主党の原子力事故収束対策プロジェクトチーム(荒井聰座長)は4月10日、衆議院第2議員会館内でプロジェクトチームの会合を開催。荒井氏が示した「原発再稼働問題に関する緊急提言」を、参加したほとんどの議員の賛成により採択した。

緊急提言では、国会や政府の事故調査委員会による事故原因の究明・解析結果を再稼働判断の前提にすることや、住民の安全を守る観点からの「ベント管」の設置または放射性物質を除去するためのフィルター設置が不可欠だと指摘。それらの条件が満たされない中で示された政府による再稼働に当たっての安全性の判断基準について、「『原発は安全である。だから安全対策はこれからやればよいのです』という『新たな安全神話の復活』につながっている」と警告している。

プロジェクトチーム会合は2時間以上にわたって開催され、出席した原子力安全保安院や資源エネルギー庁の幹部に厳しい意見が突き付けられた。

会合に出席した舟山やすえ参議院議員は「ストレステストは重大事故が起こらない前提に立った評価に過ぎないのではないか」と発言。菅直人内閣で福島第一原発事故時に住民の避難誘導に従事した福山哲郎参議院議員(前内閣官房副長官)も、「防災計画の見直しもないままでの再稼働には、地域住民も不安でたまらない」と政府の対応を批判した。

福山氏と同じく京都府が地盤の平智之衆議院議員も、「福島原発事故の教訓は、原発の多重防御体制が突破されて放射能が漏れた時に人間と環境を守ることができるかどうかだ」と指摘。
 
 「今回の対策で原子力の安全神話から訣別する」と語った深野弘之・原子力安全・保安院長に、「対策がきちんと実施されないうちに体制が突破されたらどうするのか」と問い詰めた。

プロジェクトチームの事務局次長を務める谷岡郁子参議院議員は「原発の再稼働は国民の最大関心事の1つ。党も連帯責任を負っているだけに、党内の議論を飛ばして政府に一任することはできない」と発言した。谷岡氏は4月8日に地元で実施した原発再稼働の是非に関するシールアンケートの結果を紹介(タイトル横写真)。「反対128に対して賛成は32、わからない3という結果が出た」と説明した。

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