事業費用は、熊本県、熊本市、事業者が3等分で負担する形で、2021年度からは法に基づき共同経営計画を段階的に3版作成した。
これまでの各種の実績について、今釜氏から説明があった。代表事例は以下の5つだ。
①市内中心部エリアで180円の均一運賃(2023年10月から2026年9月)を導入し、実施初年度で実施前と比べて需要が1.1倍に増えた。
②すべての会社で使える共通定期は、2022年導入以来、毎年利用者が確実に増加。2024年は 2022年比で118%増。
③半導体大手TSMCエリア向けの渋滞対策として、菊陽町で通勤バスを実証実験。さらに、ホンダ熊本製作所がある大津町では、ホンダとも協力し都合3年度の、ホンダ・ラッピングバスを走らせる公共交通を活用した渋滞対策実証事業を進めている。副次的な効果として、付近の高校生の利用も増加。2025年4月の利用者数は2505人で、増加傾向がはっきりわかる。
④新高校1年生向けのオープンスクールや合格者向けの説明会を実施。協力学校数は、2022年度の2校から2024年度は12校(公立・私立)に増加。グーグルマップなどを用いて、自宅から学校までどの路線で通学するのがいいかを周知する活動だ。
⑤『渋滞なくそう!半額パス』を2024年10月から2025年2月まで実施。路線バス、市電、電鉄電車を半額利用するサブスクチケット。価格は2500円で、実証実験用の『くまモンのICカード』を発給。

「渋滞なくそう!半額パス」の概要(熊本地域乗合バス事業共同経営に関する状況報告 2025年7月より)
土日休日は同伴者も対象(大人1人まで、小人は何人でも対象)として、家族がクルマで買い物に行く際のコストとの差を軽減した。月を経過するごとに利用者は増え、半額パス利用総数は66万7200回。このうちバス利用の割合が大きい。
以上が各種の取り組みだが、その中で『渋滞なくそう!半額パス』は、バス共同経営の次のステップに向けた基盤となりそうだ。
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