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赤字続くバス事業を「共同経営」で再建へ!熊本のバス5社が地方交通の課題に挑戦

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地方都市や中山間地域では、“普段の足”にはクルマを優先して使う人が多いからだ。実際、熊本市の事例を見てもクルマへの依存度は高い。

熊本で注視すべきは、電車や路面電車などの鉄軌道が、1975年から50年間にわたってほぼ横ばいなのに対し、バスは約4分の1まで大幅に減少している点だ。

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公共交通利用者の推移等(熊本地域公共交通計画より)

また、交通分担率で見ると、過去20~30年でバスだけではなく、徒歩、自転車、バイクも減少が明らかで、自家用車依存が高まっていることもわかる。

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熊本都市圏における交通手段分担率(熊本地域公共交通計画より)

その背景について、熊本市 都市建設局 交通政策部 公共交通推進課の徳田隆宏課長は、「鉄軌道は、定時性、速達性、輸送力で優れている」として、バスとの差を指摘する。

熊本の渋滞は世界ワースト4位

その一因が、渋滞だ。世界的な地図情報関連企業であるオランダ・TomTomのデータ(Tom Tom Traffice Index 2024)によれば、世界の渋滞レベルワースト第1位はメキシコのメキシコシティ、次いでタイのバンコク、フィリピンのダパオと続き、熊本が第4位という驚きの状況にある。

半導体産業関連の発展とともに熊本地域の人口が増加すれば、クルマ需要はさらに増えるから、即効性のある解決策が求められる。

熊本市街地、平日昼間の様子(筆者撮影)

渋滞緩和のため、市街中心部周辺で車線が多い場所ではバス専用レーンを整備しているが、そのほかの地域では、道路拡張といっても地理的な条件やコストなどで制約が大きいことが考えられ、すぐに着手することは難しそうだ。

こうした状況下で、バス利用を拡大するのは簡単ではない。

クルマ需要の高まりとともに渋滞は増え、公共交通の要であるバスの利便性が下がり、結果的にバスの事業実績も低下する、という悪循環となってしまうからだ。

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【交通の再構築は「待ったなし」の状況】

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