言うならば、自分を取り巻く限られた世界と環境からくる限られた情報や経験を、意図的に増やすことで自らの成長を促す、ということだ。
世界中から多様な国籍や宗教観、政治観や価値観を持った人材が集まる海外のトップティアのMBAでの経験が自分自身の視野を広げることに役に立つ、というのも同じロジックだ。
「共通の場」に「たまたま」いただけの関係
翻って、経験を積んだ社会人はどうであろうか?
なお、ここでは「経験を積んだ」という前提であるが故に、主に40代もしくはそれ以降とお考えいただきたい。
そのくらいの年齢になると、人間関係におけるネットワークはほぼ固定している、というヒトが大半であろう。
会社の同僚や仕事を通じての知り合いを含む仕事関係、学生時代からの友人。
そういった2大ネットワークが大半だろう。
そしてそのネットワークには新陳代謝はなく、固定メンバーというのも多くのケースにおいて当てはまるのだと思う。
それぞれのネットワークの特徴はなんだろうか。
仕事関係で言えば、同じような前提や経験、価値観を持った集団、ということになるだろう。
学生時代からの友人について言えば、かつては学校という同じ場に身を置いていたが故に同じような前提や経験、価値観を持った者同士であったが、現在は人生のステージも社会的地位も、そして経験の相違などからくる価値観もズレている、というケースが多いだろう。
もうお気づきだと思うが、これら双方に共通しているのは、会社や学校という「「同じ場」への所属が前提となった人脈」であり、その人脈のベースは「場所」なのだ。
人間的な魅力や共通する個人的な志や価値観といった本来友人関係や人脈の根底にあるべき絆によってもたらされた関係ではなく、「共通の場」に「たまたま」いたという事実が根底にある関係だ。
もっとも、スタートはそのような関係でも、生涯の友なりになる、ということもあるだろうし、そのこと自体の良し悪しをここで論じるものではない。
そうではなく、共通の場がベースとなった関係は共通の場から離れると関係性なりにも変化が生じる関係であり、そのことを理解した上で適切な関係性を質と量の双方で築くべきだ、ということだ。
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