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ライフ #え!これも自販機で買えちゃうんですか?

「規格外品を“名物”に変えた工場長の執念」「東京では売れず“ある地域”でバカ売れ」…ケンミン自販機が証明した“現場発イノベーション”の底力

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実は冷凍食品は、約40年前、生協の共同購入の宅配からはじまった商品である。歴史は長いが、生協に加盟している人以外にはあまり知られてこなかった。

そのため、自動販売機で見かけても、乾麺のように「調理しないといけない」と思われがちなのだ。自動販売機の冷凍食品は、野菜も肉も入って味付けもできているのだが……。

「そんなわけないやん! レンジで温めるだけやでって思うんですけど、全部が出来上がっている状態だということがイメージしづらいみたいです」と、同社のマーケティングを統括する、執行役員広報室長の田中国男さんは苦笑いする。

生協で販売されている冷凍ビーフンと、自動販売機で販売している冷凍焼ビーフンはまったく同じ商品。どちらもレンジで温めるだけで食べられる(写真提供:ケンミン)

けれど、これらの課題があるからこそ、自動販売機が果たす役割が大きい部分もある、と田中さん。

1つはビーフンを知らない、食べる頻度の少ない地域での広告的役割を担ってくれるからだ。また、乾麺の焼ビーフンは基本スーパーに置かれており、購入者は、30~50代の女性が中心だ。一方、冷凍自動販売機は、一人暮らしの男性など、スーパーにあまり訪れない人にも買いやすい。

つまり、“ビーフン未知”の人に見られる、食べてもらえるチャンスが大きいのだ。だから東京の自動販売機も、大きくは売れないながらも場所を変えて設置し続けている。

カレービーフンは、S&Bの粉末カレーを彷彿とさせる、程よいスパイシー感がやみつきに。辛いものが苦手な著者の小学生の息子も気に入り、リピートしている(筆者撮影)

ルールより情熱。工場長の執念が、商品を動かした

ところで、冷凍自動販売機事業を誰よりも情熱を持って進めているのは、田中さんではない。2021年11月に冷凍自動販売機が設置された、あの丹波篠山の工場長である。理由は、「規格外の商品を販売する機会」となったからだ。

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【賞味期限内なのに売ることができないジレンマ】

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