定年退職をきっかけに襲ってくる…「健康」や「お金」では補えない《老後の深刻なリスク》の正体とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

多くの高齢者は、仕事を退いた後に社会との関わりが少なくなり、外出する機会も減って家にひきこもりがちになります。

こうした生活は体を動かす機会を減らし、筋力やバランス感覚の低下を招くだけでなく、脳の働きも鈍らせてしまいます。その結果、日常生活に必要な機能が徐々に失われていくという悪循環に陥りやすくなります。このような状況を防ぐためには、心身の機能を「使い続ける」ことが大切です。

たとえば、買い物や散歩など日常の中で積極的に外出すること、地域の活動やボランティアに参加すること、また趣味や学びといった知的・文化的な活動に継続的に取り組むことが有効です。こうした行動は、体と脳の働きを保つうえで非常に重要な役割を果たします。

また、適度な運動を習慣にすると、体と脳神経の機能を改善し、認知症予防に役立ちます。体を動かすと脳から出た指令を介して筋肉が動き、同時に筋肉から出た信号が脳に伝わって脳を活性化します。

個人差が大きくなる超高齢社会では、年齢を重ねるごとに「何をしてきたか」が如実に表れるようになります。心と体の健康を守るためには、若いうちからの積み重ねと、歳を重ねても意欲的に活動を続けようとする意識が欠かせません。

自分の能力をできる限り長く保ち、豊かな人生を送るためにも、毎日の中で「使う」ことを意識しながら暮らすことがますます重要になっていくでしょう。

若いときのように「意欲」を維持すること

近年、高齢者は昔よりも若々しくなったと言われますが、変わらず高齢者ならではのリスクはあります。その一つが「意欲の低下」です。やる気や興味が薄れ、人に会うのも億劫になり、出不精になる傾向があります。

主な原因は、脳の前頭葉の機能低下と男性ホルモンの減少です。特に前頭葉の萎縮は70代から本格化し、男性ではホルモンの減少が重なり、行動意欲が大きく低下します。

これを防ぐには、前頭葉と男性ホルモンを活性化する日々の工夫が重要です。前頭葉は意欲や感情、思考などを司り、男性ホルモンは活力や健康維持に関わるため、この2つを維持できると、日常の活動レベルを保ち、若々しくいられます。

次ページ平均寿命が延びた長野県
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事