徹底解説!エヴァ新幹線はどこがスゴいのか 車両デザインにこんな思惑が秘められていた

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先頭車両の側面には「500 TYPE EVA」の文字が(撮影:尾形文繁)

バスや鉄道車両に商品広告を貼り付けるラッピング広告は、屋外広告として一般的に行われている。その内容は自治体によってさまざまだ。

たとえば、表示できる広告の範囲は、神戸市では底面を除く車体の表面積の3分の1以下、広島市では1側面の表示面積が4平方メートル以下、といった具合。エヴァ新幹線のデザインが屋外広告と見なされたら、自治体ごとで異なる規制をすべてクリアしなくてはならない。

営業距離が644キロメートルもある山陽新幹線は、多くの自治体をまたがって走る。そのため、広告と見なされないデザインにする必要があった。

こうした経緯もあって、完成した列車はどこから見てもエヴァンゲリオンの世界観にマッチしているものの、直接的な表現は一切ない。「500 TYPE EVA」の表記がぎりぎりセーフなのだ。

内装はエヴァの世界観が"暴走"

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1号車に設置された「実物大コックピット」(撮影:尾形文繁)

一方、内装については、エヴァの世界観が“暴走”している。

1号車には、事前予約した人だけが入室できる「500 TYPE EVA 展示・体験ルーム」がある。実物大のコックピットに搭乗すると、モニターに新幹線の前面展望映像が映し出される。

それを見て「なんだ、『電車でGO!』か」と侮ってはいけない。突如、「使徒」(作品中に登場する敵キャラクター)が襲いかかってきたかと思えば、女性パイロット「惣流(式波)・アスカ・ラングレー」が操縦する「エヴァ弐号機」が並走してきた。この映像は迫力満点だ。

ほかにも、1号車にはエヴァに登場するキャラクターのパネルが展示される。この日飾られていたのは、もう1人の女性パイロット「綾波レイ」だったが、一定期間ごとにほかのキャラクターと入れ替えるという。

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