藤子まんがの故郷「富山県」は鉄道の聖地? まんが道、鉄の道<前編>

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
越ノ潟駅でしばらく待っていると、いよいよドラえもんトラムがやってきた。青いボディに赤いライン、黄色い鈴。まさにドラえもんの色合いだ。外観はキャラクターの線画が描かれており、車内もキャラクターやドラえもんのひみつ道具の絵がたくさん描かれている © 藤子プロ

みなさんは『まんが道』をご存知だろうか。藤子不二雄Ⓐ先生(以下Ⓐ先生)の作品で藤子・F・不二雄先生(以下F先生)との若き日を描いた自伝的漫画である。

漫画家にとってはバイブル的存在。特に私はこのお二人にあこがれてあこがれて漫画家になったので、もはや神棚に飾っておいてもおかしくないほどの作品である。

2010年2月に私はその『まんが道』を巡る旅をした。お二人は富山県高岡市出身で『まんが道』の舞台は、高岡市中心に繰り広げられている。その漫画に出てくる実際の場所や縁の地に行きたかった。そして廃止になる寝台特急北陸と急行能登に乗りたかった。動機はどちらが先だったかは忘れてしまったが。

そして2015年8月末、北陸新幹線が開通し、だいぶ鉄道事情が変わった富山県へ再び『まんが道』を訪ねる旅を敢行したのだった。

懐かしい電車と思ったら最新デザインだった

この連載の過去記事はこちら

富山駅周辺の鉄道は私には複雑だ。前回来た時は大雪だったため市内の鉄道はまったく乗れなかったのでほぼ知識がない。今年の春に呼び名が変わったものも多い。とりあえず地図を片手に一つひとつ確認しながら巡ってみることにした。

まずは富山のライトレールに乗ってみる。

ライトレールは近代的な車両で座席の座り心地もいい。7色の展開というのがなじみのある京王井の頭線と同じで親しみがもてる。富山地方鉄道(地鉄)の市内線「セントラム」と車両が似ているが、どうやら同じ車両のようだ。

ほかに地鉄の市内線でレトロ電車というのがあったが、『まんが道』に同じデザインの車両が出てくるので

「ああ、まだ古い車両が走っているんだ」と思ったら、昔懐かしいデザインを水戸岡鋭治さんが手がけたものだと知った。

次に電鉄富山駅から地鉄の郊外線、車庫がある稲荷町まで一駅のみ乗車した。

こちらもレトロなかぼちゃ色の元京阪電車の車両。赤いシートに白いカバーのボックス席が好みだ。ここに来ればいろいろな車両が見られるかも、という目論見だったのだが、目当ての車両はなかった。

画像を拡大
ホームには様々なヘッドマークも飾られている。まるで鉄道博物館のような電鉄富山駅

気落ちしつつ電鉄富山駅に戻ってみると、なんとアルプスエキスプレスに改造された元西武鉄道のレッドアローが入線してきた!実はこれが見たかったのだ。思いがけない出会いにうれしくなった。

西武鉄道と言えば、西武池袋線の椎名町駅は藤子不二雄先生はもとより、手塚治虫先生、赤塚不二夫先生、石ノ森章太郎先生など著名な漫画家が住んでいたトキワ荘があった場所として有名だ。駅の発車メロディはアニメ『怪物くん』のテーマ曲「おれは怪物くんだ」。ちなみに作曲は筒美京平さんである。

次ページ話題の「珈琲駅ブルートレイン」へ
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事