日本全国に数ある駅の中でも都会のターミナル駅というのは独特の風格がある。どこにでもありそうな駅ビルも多いけれど、ひと工夫凝らした個性的な建造物も目につく。今回は、ちょっと印象に残るターミナル駅をランキングにしてみた。
第1位:東京駅
ターミナル駅でトップに挙げるべきは、やはり東京駅である。2014年に100周年を迎えた丸の内側の赤煉瓦駅舎は、単なる駅舎を越えてひとつの芸術作品といってもいいだろう。辰野金吾が設計した堂々たる建物は、ドーム内の装飾、壁のちょっとした装飾に至るまで緻密を極めている。
しかも、関東大震災でびくともしなかった堅牢さ。惜しくも戦災で屋根を焼失してしまったけれど、2012年に見事に復原されて、21世紀に甦った。日本の鉄道の起点に相応しい威容。これに勝るものはない。その一方で、八重洲側は、グランルーフに覆われた現代風の姿を見せている。あえてクラシックな丸の内側と対照的な造りにして、際立たせているのだと解釈したい。
昭和の香りを色濃く残す駅舎
第2位:上野駅
新幹線が集結し繁栄する一方の東京駅に対し、かつての東京の北のターミナル上野駅は、どうも元気がない。上野東京ラインの開通で、上野止まりだった電車の多くが、東京駅方面へスルーしてしまうし、常磐線特急の多くも上野を通って東京駅、品川駅まで向かい終着駅ではなくなった。さらに追い撃ちをかけるように寝台特急「北斗星」も完全に廃止された。閑散とした地平ホームに立つと、わびしさは募る一方である。それでも、昭和の香りを色濃く残す駅舎は終着駅のムードたっぷりだ。近く登場予定の豪華列車の起点になってもらうなど、起死回生を図ってもらいたいと応援の意を込めて第2位に推しておきたい。
第3位:金沢駅
北陸新幹線開業で勢いづく金沢。その玄関金沢駅兼六園口は、鼓門、もてなしドームが到着した人々を出迎え、すっかり観光客に人気のスポットとなってしまった。海外でも広く紹介されているこの駅は、今や日本を代表する鉄道ターミナルのひとつであろう。
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