新「サンダーバード」が代わり映えしない理由 車両デザインに透ける、JR西日本の北陸戦略
大阪と金沢・和倉温泉・富山を結ぶ特急「スーパー雷鳥サンダーバード」が華々しくデビューしたのは、1995年4月のこと。それから20年。サンダーバードは運行開始以来、初のリニューアルを行った。
新車両は9月26日に運行を開始。2018年度末までに18編成、177両すべてをリニューアルさせる計画だ。白いボディはそのままに、窓回りのグレーの配色が黒に変わり、ブルーのラインは以前より太くなった。また、シンボルマークとして雷鳥をイメージしたデザインが新たに描かれた。
「これまで20年間親しまれていた列車。今までのデザインのよいところを残してバージョンアップした」(JR西日本車両部の大森正樹課長)
あえて北陸新幹線に似せなかった
内装は、普通車の座席がブルーを基調とした配色、グリーン車はダークブラウンの落ち着いた色調となり、座席の座り心地も改善された。身障者対応トイレとグリーン車のトイレに温水洗浄機能付き暖房便座を導入。ほかのトイレもすべて暖房便座にした。
新しいサンダーバードは「雷鳥デザインの銅色ラインで北陸新幹線のW7系との共通性を出している」(大森課長)。窓回りの青いラインもW7系を連想させる。だが、「青いラインはもともとのデザインを際立たせた」(同)にすぎず、そこに新幹線との関連性はないという。
今年3月の北陸新幹線の金沢延伸によって、首都圏と福井・敦賀を結ぶルートとして、金沢経由で新幹線とサンダーバードを乗り継ぐ経路を選ぶ利用者も少なからずいるだろう。だとすれば、北陸新幹線とサンダーバードのデザイン上の連携を深める戦略もあったはずだ。そうしなかった理由はもちろんある。
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