徹底解説!エヴァ新幹線はどこがスゴいのか 車両デザインにこんな思惑が秘められていた

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エヴァ新幹線にもラッピングという選択肢はあったはずだが、「安全性の面から塗装を選択した」(JR西日本)。車両の一部にフィルムを貼るのは新幹線でも広く行われているが、全面フィルムとなると、空気抵抗の多い場所ではフィルムが緩んだり剥がれたりする可能性があるからだ。

塗装で決まったものの、5色に塗り分けるのは簡単でない。塗っては乾かし、を繰り返す。塗装に要した時間は先頭車で1週間、中間車で4~5日。8両編成なので、塗装だけで1カ月以上かかったことになる。この500系新幹線は8月末まで「プラレールカー」として運行されていたという事情を考えれば、かなりタイトな製作スケジュールだったことがうかがえる。

アニメシリーズのデザイナーが手掛けただけあって、完成した車両は確かにエヴァ初号機をイメージしているように見える。だが、その車体に、本編に登場するようなメカやマークなどの意匠は一切貼られていない。先頭車に「500 TYPE EVA」と記されているのみだ。

エヴァに見えるが、エヴァではない

実はこのデザイン、エヴァンゲリオンに見えるが、エヴァンゲリオンではない。エヴァンゲリオンそのものだと、広告と見なされる可能性があるためだ。その場合は「屋外広告物」として規制の対象となる。

次ページ車両の内部はこうなっている
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