韓国アルコール市場に大異変 外国勢に押される韓国企業
韓国の酒市場8兆ウォンの勢力図が変わってきた。
これまで、ビール市場ではOBとハイトの2強、焼酎でも「チャミスル(眞露)」(ハイトジンロ)、「チョウムチョロム」(ロッテ酒類BG)の2強が、それぞれの酒マーケットを占有していた。だが最近は、韓国酒市場に健康ブームとグローバル化の流れが進み、ワインや日本酒が販売量を増加させている。
まず、ビール市場では高価格でも、品質がよく、おいしい輸入ビールの需要が広がり、国内勢のOB、ハイトを脅かしている。また、FTA(自由貿易協定)で価格競争力が加わったのがワイン。焼酎とマッコリの市場を侵食し始めている。その一方で、韓国内のマッコリ市場は、日本酒の攻撃にも苦しめられている。韓国酒戦争は大混戦の模様だ。
酒はそもそも、時代を象徴する飲み物で、人々は酒を通じて時代を感じる。たとえば景気低迷期には、価格の安い焼酎が人気だった。
また、当代の権力者が、酒市場を変えることもあった。朴正煕大統領時代、彼は普段マッコリを好んで飲んだが、「朴正煕酒」と呼ばれたのは、洋酒である「シーバス・リーガル」。それは1979年10月26日、朴大統領が暗殺されたときに、この酒を飲んでいたからだ。そんな事実が国民に広まると、この酒は権力の象徴となった。金大中氏が大統領時代に好んで飲んだのは「トックリイチゴ酒」。その頃、この酒は韓国のワインと呼ばれるほど人気を集めた。
OB、ハイトの2強体制崩れる
最近、韓国の酒市場でよく聞かれるキーワードは「健康」。酒を飲むにしても、健康に気をつけて、たしなむ人が増えている。当然、アルコール度数は低く、体によい酒が人気だ。健康酒といえば、マッコリとワインの人気が冷めないのはこのためだろう。また、焼酎も低アルコール度数(19度以下)の出荷量が最近急増してきている。